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男……もとい鬼無里さんは表情を消して言う。
「さぁ。もう一度聞く、君には願いがあるだろう」
今度ははっきりと言おう―――。
「………か…家族が欲しい……大好きな家族が欲しい…です」
声は震えてるし、俯いたままだけど言う事が出来た。恐る恐る顔を上げると、やんわりと奇麗な顔が笑っていた。
その時、私はどんな顔をしていたんだろ。嬉しくて嬉しくて嬉しすぎて……きっと笑って。
泣いていたんだろう―――。
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