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怠惰な生活で財を食いつぶしたのか、
運悪く財をむしり取られ落ちぶれたか、
もしくはそれ以外、
生まれた時から持たざる者だったか。
くだらないクソ虫たちが身を寄り添うように集う肥溜めの街。
誰も街の名前なんてよびやしない、あるとしたら最果ての町とか貧民街そんな呼び名だ。
このくだらねぇ街で生まれもって不運、脆弱、醜悪、な男がいた。
不運は不屈を持って迎え撃ち、
脆弱は根性で跳ね返し、
醜悪は孤独を愛することで耐え忍んだ。
神に愛されなかった男、名をキリカ。
彼が死を目前にしたことは祈ることだった。
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