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遠のく影。
なにもできない、無惨にも奪われ、たかだか1ヶ月必死で働いた程度の金の為に殺される。
「神様どうか…」
どうかしてる
金を奪われたことが腹立たしかった。だが
「どうか」
なんとなくだが思うのだ、いや感じるのか。
自分は死ぬだろうとそう考えたときによぎったのは…
「あの糞野郎にも等しく死を、願わくば…より深き痛みを苦しみを絶望を与えて下さい。」
「荒んでるなキミ。」
「ッ!!」
驚くが反応しない五感。身体機能が鈍っているのか、人が近づいていたことにまったく気づかなかった。
「助けてやろうか?」
姿は見えない微かに声だけが聞こえる。
「いやしかしキミ…なんともいえないな、うーんあれだ好みじゃないそうだ好みじゃないんだよ!」
「いい…らっすけ…ろ」
これを逃せば助からないだろう。
「…キミを助けて利益があるかな?」
どうでもいい!助けろクソ助けろッ!!……。
こんな死に方があるか、恨みも、因縁も、繋がりさえない人間に刺されて死ぬなど
ありえない。
「たす…てくださ…ぃ」
キリカは完全に意識を手放した。
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