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視界に移る。
小さな背中、細い、肩甲骨に見とれる。
きれいな体、雪のように白く、絹のようになめらかな肌。
栗色の髪は寝ぐせか、それともくせ毛なのか、いや両方か、はね放題。
肩ほどまで伸びた髪は細く、柔らかそうだ。
となりで眠る見知らぬ少女をながめていたが、ふと気づく、自分に起こっている異変。
刺されたはずだった。
背中に傷はなく、痛みもない。
しかし、それよりもっとおかしなことになっていた。
自分に起こった、現象に首を傾げていると、少女が寝返りを打った。
「うぅん…」
きれいな背中がベッドに沈み、ささやかな胸があらわになる。
小さな背中から想像するに、年端もいかない女の子だろうと想像していたが、やはり。
端正な顔立ちからは、どこか位の高さを感じさせる。
長いまつげ、小さな唇、白い肌が、まるで彼女を人形のように見せる。
「ごくり。」
喉がなる。
自分が起こそうとしている行動に、犯罪じゃなかろうかとおもいつつも、いやいいんだもうどうなでもなれ!という思いが勝つ。
据え膳喰わぬはなんとやらだ。
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