プロローグ

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また空を飛べるようになった時は、本当に嬉しかった。 辛いリハビリにも耐えて、たまに泣いたりしたけど、それでも空を飛べたことがなりより嬉しかった。 周りの人達も、自分のことのように喜んでくれた。 これでいつでも、彼が帰ってきても心配をかけることはない。 私の中では、その気持ちが一番大きかった。 「待ってるから」 何度目かもわからない言葉を呟く。 空に向かって微笑み、上空に向け、大きく飛んだ。 それからまた、いろいろなことが起きた。 変わったこともいろいろあった。 仕事の方では、かなり上のまで行ったし、人に教える楽しさも知ることができた。 今では、私のことを慕ってくれる後輩たちが可愛く思える。 娘ができたことは自分でも戸惑いはあった。 本当の娘じゃないけど、私にとって大切な娘。 身体の方も、だいぶ大人ぽっくなってきた。 背も伸びて、髪も伸びてきたから髪型を変えた。 今の私を見ても、彼は私だと気づいてくれないかも知れない。 そんな不安が頭の中を過っていた。 その少しあとだった。 あの朗報が入ってきたのは…。
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