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その時だった。
前方5メートル先。目の前の砂浜には人影が見えた。
学校の制服のセーラー服は紺を基調とした冬仕様で、黒く長い髪は、空の風にたなびいて揺れる。
顔や足は驚く程白く、それはやや病的なほとで、紺のセーラー服との対比でより薄弱に見えた。
思わず見とれていると上がる紫煙に気づく、彼女の指の間。白く細い指の間にはタバコが挟まれていた。
彼女はゆっくりと口元に手を持っていくと煙を吸い、そして、吐いた。
その所作にでさえ見惚れていると鉄扉がギギ……と音を立てた。
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