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いつもと変わらない学校で、いつもと同じように行われている いつもの授業中に、いつもと違う事が起こった
「石井君、急いで家に帰ってくれとの事だ」
ヘ?って首を捻りながらカバンに何を入れる訳でなく何も わからないまま家に帰れば母親が目を赤くして ぼんやりしていた
「・・・お父さんが・・・」
「オトン、みつかったん?」
昨日から姿の見えない父が事故にでも?と思った翔真に母は一言ゆっくりと告げた
「・・・死んだんよ」
「は・・・?何?」
「殺されたって・・・」
母親の目が潤む
翔真は押し黙ったまま何も言えずにいた
「あの・・・あっこのな・・・・・・廃工場あるやろ?」
コクコクと頷く翔真に続けた
「あっこでな・・・殺されとったって・・・」
堪らなくなって母親は口を手で押さえながら嗚咽をあげた。
近くにある廃工場。
昼間は近所の子供が出入りして遊び場にしたりしていたので翔真も行った事があった。だが、大の大人の父親が何で あんあ所へ行ったのだろう?と不思議に思った
母親は元々お嬢さん育ちで精神面の弱い人間だった。
この日も少し おかしかった。
翔真は、そんな母親を見ているのは辛くて翌日の夕方は何故か あの子とは遊ぶなと言われている相手、静の家へと上がり込んでいた。
玄関のチャイムが鳴り、静に似た美人の母親が出たのが見えるが翔真の所からは来客自身は見えなかった。
「○○署の者ですが、少しお話をいいですか?」
「は?」
「石井真さんが一昨日廃工場で発見されましてね」
母親が目を見開き静を見たのが確かに見えた
「川端さん?」
「あっ・・・えっ」
「知ったはりましたか?」
「え・・・と・・・息子の友人のお父さんなので死んだ・・・言う事だけは・・・。今も息子さんが・・・」
「えっ?」
ひょっこり翔真が顔を出すと刑事はバツが悪そうだった
「外で、お話でけます?」
「俺、帰る」
「ショウ?」
「またな」
翔真は逃げるように静の家を後にした。
刑事の話では翔真の父は下半身を露にして何者かに刺されていたという事だった。そして、その日、その前に静の母親の所に来たらしいという事をつかみ やってきたのだった
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