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男が近づいてくる。ひっ迫した空気が押し寄せてくる。
薄暗い部屋でも相手の顔はよく見える。
獲物を追い詰める鋭い目つき。
後ずさり、ふくらはぎに木と布の二種類の素材が当たるのがわかった。もうこれ以上後退は出来ない。
手を伸ばせば届く距離で、男は悪戯な笑みを浮かべた。
お腹を軽く押されただけなのにベッドに倒れる。足が動かないせいで踏ん張りが利かなかったんだわ。
中に組み込まれているバネが、倒れた拍子に身体を上下に揺らす。
すぐさま男が馬乗りになった。「軽くしか押してないのに」と言いながら、彼が着せた男物のシャツの間に手をかけ、否応なく全開にさせられた。
声が漏れる。前が露わになったが下着はつけている。シャツのボタンは何個か床に転がっていった。替えのシャツはあるのかな。
そんな心配をよそに、彼は私の夕張メロンを乱暴に掴む。電気が身体を流れる。下手な男がすれば怒るところだが、彼は違う。
味覚狩りを熟知している。粗暴な演出でも繊維は潰さない。鮮度を落とす事なく確実に狩っていく。
声を出すと、「どうした?」と訊いてくる。わかっているくせにいやらしい男。
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