第一章

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「…。」 言葉が出ない。 そりゃ誰だって目が覚めて見た光景が砂漠だったら、 言葉は出ないだろう。 ここで呑気に「すげぇー」なんて言えるやつがいたら、 この目で見てみたい…。 まだ夢の中だと思い、少し幼稚だと分かりながらも頬を抓る。 そこで、 「お主、そこで何をしている?」 と声をかけられた。 一体何だと、思い顔をあげて見れば驚愕。 声をかけてきた人物は、袴姿で腰には刀と思しき物をぶら下げている。 目が鋭く唇が薄い、輪郭はシャープでこれぞ世間でいう… …イケメン…。 こんなやつがいるから、世の中普通の顔の男が目立たないんだ。 と思考していたら、 「おい、聞いておるのか?」 鋭い目がこちらを向いている。 俺が返答に困っていると、また新たに声が聞こえてきた。 .
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