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「…。」
言葉が出ない。
そりゃ誰だって目が覚めて見た光景が砂漠だったら、
言葉は出ないだろう。
ここで呑気に「すげぇー」なんて言えるやつがいたら、
この目で見てみたい…。
まだ夢の中だと思い、少し幼稚だと分かりながらも頬を抓る。
そこで、
「お主、そこで何をしている?」
と声をかけられた。
一体何だと、思い顔をあげて見れば驚愕。
声をかけてきた人物は、袴姿で腰には刀と思しき物をぶら下げている。
目が鋭く唇が薄い、輪郭はシャープでこれぞ世間でいう…
…イケメン…。
こんなやつがいるから、世の中普通の顔の男が目立たないんだ。
と思考していたら、
「おい、聞いておるのか?」
鋭い目がこちらを向いている。
俺が返答に困っていると、また新たに声が聞こえてきた。
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