四月

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一年生は三階に教室があった。 ちなみに、4クラス。 中に入るともう十人くらい座っていて早いなーと思った。 黒板に出席番号順に座れと乱雑に走り書きされていた。 「えーと26番はどこだっと」 「ここだぞー」 質問したわけではないのに返答してきた奴がいた、その声の主は手招きしていた。 「26番なら俺の前だからここだよ」 「あぁ、ありがとう」 うぇーチャラい。嫌だー。 「お前名前は?」 「奈加 優」 馴れ馴れしいし、金髪だし、なんか嫌だな。 「優か…いい響きだな。優…優…」 「お前、コッチなのか?」 「ハァ、ちげぇよ。その手つきやめろよ」 「そうか安心したわ。後ろにそんなのがいたら、考えるだけで震えが…」 本当に良かった。 「ところで、チャラ男、名前はなんて言うんだ?」 「あぁ!なんでチャラ男なんだ?」 「名前は?」 「あぁ、難波 広人(なんば ひろと)だぜ、ヨロシク!」 「ヨロシク。チャラ男」 「だから…」 その時、チャイムがなり、放送があった。 「入学式だな。場所は…」 「体育館だ。チャラ男」 「そうか。じゃあ、行くか」
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