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「ねぇ…そこで何してるの?」
「…何って…砂でお城作ってるんだけど…」
「下手くそね~それ今にも崩れそうじゃない。」
「…いいんだよ。別に本気で作ってるわけじゃないんだし…僕何かに構わないであっち行きなよ。」
「私に命令しないで!私は自分の意思でここにいるの!…それにあなた…悲しい瞳をしてるわ。そんな子ほっとけない。」
「…余計なお世話だよ。僕なんかいなくてもいいんだ…死んでも誰も悲しまない…どうせ僕なんか!『バチン!』え?」
「…そんな簡単に死ぬなんて言わないで!!自分の存在を否定なんかしないで!生きてるなら死に物狂いで足掻きなさい!一生懸命生もがきなさい!そうやって自分の生きる意味を見つけなさい!」
「…君は僕に生きてて欲しいの?」
「当たり前でしょ!いなくていい人間なんかいないんだから!」
「…ありがとう。…ありがとう。グスン…」
「あなた名前は?」
「志野…志野 一幸」
「私は神条 雫。これからあなたの生きる意味を見つける手伝いをしてあげる!覚悟しときなさい!まずはその腐った根性叩き直してあげるわ!」
「え…あっうん!よろしくね!雫ちゃん!」
「こちらこそよろしく!カズくん!」
幼稚園で出会った彼女は同い年にも関わらず大人びていた。
それから彼女に色々なことを教わった。
おかげで少しずつだが自分を好きになっていった。
あの時、生まれて初めてビンタされて本気で心配されてるのがわかった。
彼女に出会えなかったら俺は今どうなっていたんだろう。
もし今彼女が昔の俺のように、深い悲しいを抱えていたら…
俺が必ず救ってみせる!
今度は俺の番だ!
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