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放課のチャイムが学校に響き渡ると同時に、生徒たちの自由時間が始まる。 いつも通り陽子と帰るため肩を叩いた。 「陽子帰ろ」 「ごめん。あたし今日用事あるんだわ。先帰ってて、じゃね」 「……あ、うん。わかった。じゃね」 いつも思う。 別に陽子以外の友達がいない訳じゃない。家の方向が同じ友達がいない訳じゃない。 ただ、そうしてきたから。 陽子がいなければ一人で帰る。 ただ、そうしてきたから。 男友達がいなくても平気だった。 そう、男の友達……彼氏……。おとと! 陽子が変なこと言うから考えがおかしな方向に。 一人になり、夕日のせいだけではない色褪せた景色を眺めながら、少しだけ頭を振って考えを散らしておいた。
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