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――15歳 春 卒業
「仁ちゃん?高校は別になっちゃうけど、たまには会えるかな?」
「ああ、実加は電車通学だろ?」
「そうだよ」
「それが心配だよ、方向音痴の実加が電車の乗り換えなんて、……迷子になるなよ、大丈夫か?」
「もぉーっ、仁ちゃん!いつまでも子供扱いしないでよ」
「この前だって、電車乗り間違えて、泣きべそかいてたよな?」
「あの時は!!どの電車に乗れば良いのか分からなくて……怖くて……
仁ちゃんが迎えに来てくれてホッとしたから……」
「何かあったらすぐに連絡しろよ?」
「うん、分かった。
仁ちゃん、……この桜並木を見ながら仁ちゃんと登校する事、もう無いんだね、……寂しいな」
「そうだな、……実加とこの桜並木を歩く事は、暫く無いんだな……」
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