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「て事で、準さんの束縛が無くなった所で…」
突然、カイトさんが僕の方へ振り向いて言った…
「君には、総受けが似合う!」
バンッ!と指を指されて、ビクッとなる…
え?…そ…受…け?
何だそれ…
静かに首をひねると…
「バカか…和夫くんは、俺の嫁または奴隷だ。」
それを、準さんがフンと鼻で笑った…
「や、ちょっと待「んだとこら?まだ、和夫くんにプロポーズさえしてねぇ癖して大口叩いてんじゃねー。」」
僕は、何のことか聞こうとしたのに、それさえも叶わずに終わった…
未だに、カイトさんと中谷さんが準さんの胸倉を掴まんばかりにしている、そして、準さんは自信満々に二人を蔑む…
…さっきの穏やかな雰囲気は、どこに飛んでいったんだ…?
「はあ、あんな奴らほっといて先に行っとこうか~」
アレン君の間延びした言葉遣いに僕は、密かに幸せを感じた…
「…そうですね。」
僕は、相当な泣き虫みたいだ…
だって、小さな幸せに感動して視界が歪むから…
嬉しいのに、涙が止まらなかった…
「抜け駆けか。」
手の甲で涙を拭い、背後で聞こえた声の方へ向けば、また、準さんの嫉妬した顔…
準さんには悪いけど、準さんが嫉妬してくれてうれしい…
「あー!準が和夫くん泣かしたー!」
準さんに首を絞められていたアレン君が言った…
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