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白いうさぎと赤いうさぎは、オセロをするのが好きでした。
白い石を拾ってきては、片面だけに泥を塗り、地面に描いたます目に並べます。
「ぼくが黒だ。」
赤いうさぎは言いました。
「じゃあ、ぼくが白だね。」
白いうさぎも言いました。
始まりは黒がどんどんその駒の数を増やしていきます。
埋め尽くしていく黒。
赤いうさぎは、嬉しくなって、どんどん白から黒へ、駒を返しました。
しかし、終盤に近づくと、気づけ
ば赤いうさぎの目の前は真っ白になっています。
そして、いつだって結果は、
白いうさぎの勝ち、なのです。
「いつも僕は勝てないなぁー」
赤いうさぎは言いました。
「そりゃそうさ、だって君、真ん中の駒ばかり気にするのだもの。」
白いうさぎは言いました。
「それはいけない事なのかい?」
「だって君、外側の駒を全部取られてしまったら、中なんてすぐにひっくり返ってしまうよ。」
赤いうさぎは白いうさぎの顔をまじまじと見ました。
「君はいつもそれを考えて、駒をさすのかい?白うさぎ。」
白いうさぎは澄ました様子もなく言います。
「別にそういう訳じゃ無いさ。ただ、今考えたら、僕はそう思っていたんだよ、赤うさぎ。」
この後も、赤いうさぎが白いうさぎに勝つ事は、ありませんでした。
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