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「げ! マジかよ。せっかく遊びにいくって言うのに今日に限って厄日か〓 幸先悪いな〓」
私はそういいながらリビングにあるソファーから立ち上がると自分の部屋にもどってパジャマから私服に着替えた。
格好は黒の長袖に赤チェックのスカート、首からは黄金色に輝く懐中時計をぶら下げて、最後に黄色い帽子を被って鏡の前で自分の姿を見た。
(う〓ん 微妙かな? いや、ずれてるよね。 私ってファッションセンス無さすぎるんだよな〓)
そう思いながらも自分の部屋から出て、家の和室へ入っていった。
そこにはひとつの仏壇があり、そこには一人の男のひとが写っていた。
「おはよう。お父さん」
そう言って仏壇の前で合掌した。
私の父親は亜夢が幼い頃、肺癌で亡くなった。
今首からぶら下げているのはその父親の形見の懐中時計だった。
私が和室から出るとちょうど二階から一人の少女が降りてきた。
亜夢の妹の亜美だ。
彼女は中学三年生で今日は私と同様友達との遊びに行く約束をしていた。
なので私同様早起きをしてきたのだ。
「おはよう。亜美は今日は友達とゲーセン行くんだよね?」
「そう、今日のためにいままでお金ためてきたんだ!」
そういって亜美は自分の持っている財布を振った。
「私も九時からみんなと遊びに行く約束」
私がそういうと妹の亜美はなぜかニヤッっと笑い
「そっかー。お姉ちゃんはお年頃だからね〓」
と言って笑った。
それをみた私は
「何を想像しているかは知らないけど、絶対に違うからね」
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