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あるところに、幸せそうに笑う女性がいました。
女性のお腹は大きくなっており新たな命を授かっていることは一目瞭然でした。
「ねぇ貴方、私達は幸せ者ね。」
微笑む女性に男性は、
「そうだな」
と冷たく返事をしました。
どうやら彼等は夫婦のようです。
「もうすぐで産まれるのね。この子の名前は何にしましょう。」
と言いながらお腹を撫でる女性。
「・・・・・・・・・『フェル』か『ルカリナ』はどうだろうか。」
そう言うと更に言葉を紡ぐ男性。
「ミカエラ、本当に良かったのか?堕天使の俺と・・・いや、さらに堕ちて悪魔になってしまった俺と結ばれることが・・・。」
と、
申し訳なさそうに・・・・・・・・・。
彼等の種族は悪魔と天使。
種族の違う『禁断の恋』のようです。
駆け落ちにより結ばれようやく子を授かり夫婦になれたようです。
「何を言っているのグレイ。私は貴方の子供を産むことができる。それはとても嬉しいしし、喜ばしいことなのよ?」
そう言うと、ミカエラと呼ばれた女性はグレイと呼んだ男性を抱きしめ、
「たとえ産まれた子が堕天使であろうと悪魔であろうと、私達の大切な子供に血が違いはないの。そうでしょ?グレイ」
ミカエラは優しくグレイの頭を撫でました。
「・・・・・っ・・・ありがとう、ミカエラ・・・。」
グレイはまるで壊れやすい物を扱うように抱きしめました。
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