第三章 節穴

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死亡フラグを立て、佐々木に心を折られてから約一週間がたった。 「咲、早くして」 「え、はい、きゃぁっ!」 「ああぁぁ!何してんの!怪我はないっ?」 今現在、咲と笹川の二人で夕餉準備中。 咲は今、13歳で、どうやら今まで家事をしたことがなかったらしい。 とても料理なんて出来ない為、米を研がせたり、汁物を掻き交ぜたり、野菜を洗わせたりと比較的危なくないことをさせているのだが…… 「ごめんなさいっ」 (米を全てこぼすとは……) 「あぁ、いいよ。大丈夫、大丈夫。 こっちの汁物、沸騰するまで見てて」 笹川はニッコリ笑って言うと米を拾い始める。 咲は顔を青くしながら汁物を見つめていた。 今のところ、笹川に怪しい気配はなく、咲に熱心に物事を教えている様子だ。 ちなみに、つい先日、笹川が女だと咲にばれた。といっても、笹川は隠していた訳ではない。 咲にはショックだったようで、暫くぎこちない接し仕方をしていた。今では、毎日の忙しさにそんなことを考える暇がないようだが。 そんな日の夜だ。 「土方さん、明日、休み貰って良いですか?」 笹川が土方の部屋を訪れた。 心臓がドクドクと鳴るのを抑えながら、面倒くさそうに用件を伝える。 「何の為に」 「どうせ後付けるんでしょう。 なら別に言わなくても良いですよね」 「何処に行く」 「決めてません」 なんという適当さ。 土方に恐怖心を抱いているが、それよりなにより受け答えが面倒なのだった。 土方は笹川の態度に眉間に深く皴を寄せて、ため息を吐き出した。 「……勝手にしやがれ」 「有難うごさいます。土方殿……じゃなくて土方副長」
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