序章

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置き去りにされた何の自衛手段もない忌み子は、ただ死を待つばかりだった。 力尽きるその瞬間まで、母を探し泣き声をあげるしか出来ない。 それが、忌み子として他者からの呪いを一身に受け産まれ出でた鬼の避けられない末路なのだ。 桜の花びらが舞い散る谷に捨てられた赤子も例外ではない。 ただ、角が生えていたそれだけの理由で――― ,
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