7人が本棚に入れています
本棚に追加
凪はいわゆるお嬢様だ。
一流IT業社に就職できたのも両親のおかげと言っても過言ではない。
お金は腐るほど持っている彼女に金目当てで近寄る男はそう少なくない。
凪は過去に幾度か騙された事がある。
その度に由美子の不安は積もる一方であった。
「全く…心配してるこっちの身にもなってよ」
「ごめんなさい…」
凪が申し訳なさそうに頭を下げた。
「もういいから早くカレー食べなさい。冷めちゃうわよ」
「うん…」
由美子の言葉で凪はちょびちょびカレーを食べ始めた。
そんな凪を由美子は微笑ましく見つめるのであった。
――夜
「く~…疲れたぁ!!」
現在深夜12時。
仕事を終えた凪は伸びをし、家路についていた。
まだ夜食を済ましていない凪はコンビニで軽く食べ物を買って、夜道を1人で歩く。
凪の家は高級住宅地の一角で、かなり大きい家だ。
1人暮らしの凪には広い家が少し寂しく感じる。
しばらく歩いていると凪の家が見えてきた。
凪はカバンから家のカギを取りだし、鼻歌混じりで家の門にたどり着いた。
すると――
「う、……うぅ……」
どこからともなく男のうなり声が凪の耳に届く。
「えっ!!なに!?誰かいるの?」
恐怖しているのか凪の声は震えていた。
最初のコメントを投稿しよう!