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凪は恐る恐る声がする庭の方へと足を進めた。
するとそこには――
「男の子?」
そう。白い布のようなもので全身を隠し、頭から血を流している男がいた。
見た目は18歳程度だろうか。
ぶっちゃけレヴァエルだ。
「だ、だだだだ大丈夫!?」
焦りながらも凪はレヴァエルに駆け寄る。
だがレヴァエルからの返事はない。
息はしている。
「と、とにかく病院に――」
凪は近くの病院に電話を掛けた。
が――
『すいません。現在大規模の事故により病院内は大変混雑しております。よって受け入れができません』
と、断られてしまった。
凪は渋々レヴァエルを引きずって家の中へ入れた。
さすがに持ち上げる事はできないので床に寝かせ、頭の血を拭き取り、消毒をし、包帯をまく。
簡単な応急処置だ。
頭以外に損害はなかったのが不幸中の幸いだった。
「どうしよう………あ、由美子なら!!」
そう思い由美子に電話を掛けた。
二回ほど呼び出し音がなると由美子が不機嫌に応えた。
『ちょっと凪!!今何時だと思ってるのよ!?』
時計は深夜1時半を差していた。
「ご、ごめん由美子…で、でも大変な事が!!」
『どうしたの?』
「お、男の子が私の家の庭で倒れてた!!」
『えぇー!!!!』
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