神の命令

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「そうか…ならさっそく人間界へと送り込む」 「へっ?」 間抜けな声を出したレヴァエルを無視し、神は指をパチンッと鳴らした。 するとその瞬間、レヴァエルが立っている地面にポッカリと穴が空いた。 そして―― 「うぎゃああぁぁぁぁぁ―――」 レヴァエルは穴にまっ逆さま。 落ちる落ちる。 えぇ、そりゃもう落ちますよ。 ――レヴァエルがいなくなった神の部屋 「ゼウス様」 レヴァエルを見送った神がゼウスと誰かに呼ばれた。 ゼウスは声がした方に振り向く。 「おぉ、ミカエルか。お前の弟が行ったぞ?」 「えぇ、裏で見てましたから」 「一言ぐらい言ってやっても良かったんじゃないか?」 「言おうとしたらゼウス様がいきなりレヴァエルを落としたんじゃないですか」 「あら、わしのせい?テヘペロ」 ゼウスは頭をコツンと叩き舌を出す。 「気持ち悪いです……」 「……ミカエル、お前黙示録行きな?」 「なんでですか!?」 焦るミカエル。 冗談と思っていても笑えない。 「ところでゼウス様」 「なんだ?ラブレターならいらんぞ?わしはそっちの趣味はないからな」 「俺もそんな趣味ないです……ってそうじゃなくて。レヴァエルのヤツ、衝撃封じの呪文知ってるんですか?」 「………あっ!!教えてない……」 「……まずいですよ……ね?」 「………テヘペロ」 先ほどと同じ頭をコツンと叩き舌を出す。 初めてゼウスに殺意を覚えたミカエルであった。
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