天からの送り者

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――人間界 ここは一流IT業社のビル。 その中で目を腫らせながらパソコンとにらみ合いをしている女性がいた。 彼女の名前は斗真凪。 23歳独身だ。 スラッとしたモデル体型、しかも顔は絶世の美女ときた。 少し色の入ったロングヘアー、凛とした顔付き、普通の男なら一目で惚れてしまうだろう。 だが、この会社の人は彼女に寄ってこない。 正確には“今は”寄ってこない。 その理由とは―― 「凪ー、お昼食べよー」 凪に話掛けたのは同僚の由美子(ユミコ)。 凪の親友とも呼べる。 由美子は凪にお昼の誘いを笑顔で言った。 だが―― 「……食欲ない…」 張りのない声で凪が言った。 「まだ引きずってんの?ちょっとしつこくない?」 「しつこくなんかないよ!!だって2日前だよ!?3年も続いた彼氏に2日前に振られたんだもん!!もう立ち直れないよ~…」 男達が凪に近寄らない理由―― それは、彼女が彼氏と喧嘩したり別れたりすると、彼女はかなり不機嫌かつ、めんどくさくなる。 だが、そんな凪を宥められるのは由美子。 中学時代からの付き合いで、凪の扱いは人一倍上手い。 「はいはい、わかったから泣かないの。て、ここ会社だし。そんなガチで泣いてたら…ほら、みんなドン引きしてる」 周りの社員達は泣き崩れる凪を見て苦笑いしている。
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