7人が本棚に入れています
本棚に追加
「なによ…」
凪は周りの社員達をギロッと睨んだ。
すると社員達は目線を反らし、何事もなかったように仕事についた。
「はぁ…とりあえずお昼にしましょ。何か食べないと午後から体持たないよ?」
「う~…」
「ほら、早く」
由美子は無理矢理凪を食堂へと連れて行った。
食堂に着いた二人はカレーを頼み、席につく。
席につくなり凪はため息をつき、そのまま机に顔を伏せた。
「いつまで落ち込んでんのよ」
「だって…」
「私思うんだけど別れて正解だったと思うよ?」
「なんで!?」
由美子の言葉に反応した凪は勢い良く伏せてた顔をあげる。
「なんで、て…えっとなんだっけ?凪の元彼の名前」
「太郎?」
「そうそう。てかまず、名前からしてどうかと思うけど…」
「名前はなんでもいいの!?太郎は顔もいいし性格もいい。最高の彼氏だったの!!」
「はぁ…気付いてなかったの?」
由美子がため息まじりにカレーを一口食べる。
「なにが!?」
凪は少し怒り気味だ。
「利用されてたのよ」
「利用?」
「そう。お人好しの凪に漬け込んでお金をいっぱい使わしてたの。あるでしょ?いっぱいお金を太郎君につぎ込んだ記憶が」
凪はしばらく考え込む。
そして――
「あっ!!まだ太郎に30万円返して貰ってない!!」
「はぁ……」
由美子は深い深いため息をはいた。
最初のコメントを投稿しよう!