弐ノ刻 烏と狼と魔法使いと

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「そんで、俺は明後日から学校がある。」 「学校?寺子屋みたいな物ですか?」 文は興味心身に聞いてきた。寺子屋より面倒くさい場所なのは確かだが、他に答えようが無いので肯定する。 「うん、そんなもん。それで少なくとも戻るのは四時くらいになる。それまで君らはどうする?」 「私達は家にいるわ。散歩くらいならするけど。」 咲夜とレミリアは家に居る事に。だが天狗組に巫女と魔法使い組はそうはいかないだろう。 「私は図書館に行きたいわ。こっちについてよく知りたいし。」 アリスは上海の髪を結いながら言った。 「おっ、アリスが行くなら私も行くぜ。」 「盗むなよ。」 優希は釘を刺す。だが魔理沙は笑って言い返した。 「盗んでないぜ。ただ死ぬまで借りるだけだ。人間は妖怪より短命だからな。」 「こっちはみんな人間だから。」 「ぐっ…。」 「…まあ、とりあえずアリスと魔理沙は図書館ね。後の三人は?」 「私も家にいるわ。やること無いし、お茶飲んだりゲームやってるわよ。」 「蓬莱ニートのようだ…。」 「仕方が無いじゃない。この服じゃろくに外に出れないわよ。さっき散歩したときに変な目で見られたんだから。」 「あー、そうか。」 とても重大な事を忘れていた。 「服を忘れてた。」 優希は手短の鍵付き引き出しから封筒を取り出して中身を見る。遺産の一部だ。中には数十万ほど。 「じゃあ、今から服を買いに行こう。ローブみたいのあればいいんだけど…。」 「ああ、私の車使いましょ。」
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