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ー霊夢の車ー
トントンっとアクセルを吹かし、コーナーを抜け出る。車は横滑りの体勢から再び前を向いた。
「そこ!その広場の白い枠に止めろー!」
優希は涙目のまま、霊夢に場所を告げる。車は再び横滑りをしながらもピッタリ枠に収まった。
なんでこんな事になっていたのか。
それは大通りに入った時のスポーツカーが無理矢理追い越して行ったからだ。それで霊夢の心に火が付いたらしく、無理矢理追い抜いた後である。
「し、死ぬかと思ったぜ…。」
忍び込んでいた魔理沙が頭をさすっていた。実は途中から気づいていたりする。
咲夜が行くなら、と駄々をこねるおぜう様もといレミリアがいるのだ。
魔理沙一人が家で大人しくしているはずがない、っと霊夢は読んでいた。
とりあえず全員来ているのだから二度来る手間は省けた。だが、東方を知る一般人に彼女たちがバレる可能性があった。
なにせこの駐車場、店から少し離れている。歩いて約五分かかる第二駐車場。
裏とはいえ見つかる可能性がある。
「さて、少し歩くぞ。」
優希たちは人に見つからないよう歩き、例の店である"M&K"の裏口に着いた。
ちなみに正式名称は"MOKOU&KEINE"。
ここの店長が開業するとき優希は本気で止めた。社会的にも経済的にもダメな気がしたからだ。
だが、名前はともかく、中身は普通の服屋だったりする。
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