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さて、このフロアに来たのにはわけがある。
まずはシーツだ。
シーツって行ったらあの布団に敷くシーツに決まっている。後はリンスやらなんやら。
「えーっと、ああこれこれ。」
何より先に、俺は一本の日傘を手に取り、レミリアに差し出した。
「何よ。黒じゃない。」
「まずは持ってみろって。」
レミリアは渋々、傘を掴み、俺から奪い取った。すると異変に気付いたのか、目を丸くしている。
「あら?大きい割に軽いわ、これ。」
「だろ?紫外線とかも完全にシャットアウトだから日焼けしないぜ。」
「貴方にしては良いの選ぶじゃない。赤は無いのかしら?」
「残念ながらピンク色だ。」
「…まっ、いつものと同じ色だし良いわ。」
なんだかんだで気に入ってくれたようだ。
「シャンハーイ。」
上海がいつの間にか俺の頭の上に居た。何故かペシペシと頭を叩いてくる。痛がるほど痛くないが痛い。
「なんだよ。」
「シャン、シャンハーイ。」
上海が指差した方にはアリスが何かをじっくり見ていた。
俺はゆっくり後ろに近づき声をかける。
「何見てんだ?」
「シャンハーイ。」
「きゃ!」
アリスは一緒ビクッと体を震わせた。
「な、なんでもないわよ。」
「…これか。」
目を背けるアリスの後ろには大きめのマグカップの棚があった。そのマグカップの中に一つ、変わったデザインの物が一つ。
魔法使いと少女が手を取り合っているマグカップだ。見ようによっては魔理沙とアリスのように見える。
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