壱ノ刻 巫女とメイドと吸血鬼

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霊夢は溜め息混じりに呟いた。目を背けて悟るように。 「一概に来ないとは言い難いわね。おそらく、紫が治って迎えに来るまで。それまでに何人か来そうだけど。」 霊夢はそう言って、欠伸をした。同時にぐぅとお腹が鳴る。 「ひとまずご飯にしない?お腹空いたわ。」 霊夢の言葉に誰もが頷いた。もう短い針は八を差していたのだ。 ひとまず優希は冷蔵庫を開けて中身を確認する。決して豊富とは言えない材料から導き出したのは。 「大した材料ないからカレーになるな…。三十分くらいかかるけどいいか?」 「お腹膨れれば何でも良いわよ。さらに美味けりゃ文句はないわね。」 霊夢らしいなと思いつつ、優希はカレーの素と鳥肉を取り出す。伊吹家ではもっぱらチキンカレーだ。 「咲夜さんとレミリアは?」 「別に平気よ。目の前に獲物居るし。」 「俺かよ…。」 「冗談よ。ちなみに何型かしら?」 「Aだけど?」 「Aは好きじゃないわ。血、硬いし。」 何かA型が貶された気がするが、まあ気にしない。 とりあえず、今晩は カレーとなった。咲夜が隣で、ジャガイモを剥いている。 流石に上手いな、と感心しながら優希は手元の肉をぶつ切りに。 「咲夜さん、レミリアっていつもあんなんなん?」 「いつもとは言い難いわ。そういえば、あなた、なんで私をさん付けなの?」 「いや、咲夜さん年上だし…。」 「私は十八よ。」 「俺、十七。」 「うそ!成人だと思ってたわ。」 「悪かったな老け顔で。」 少しショックを受けた優希だった。
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