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「なんか食っていくか?」 もう日付が変わりそうな時間である。 ラーメンでも食べて行こうと宏明に声をかけた。 「わりぃ。今日は…」 「なんだ、また女かよ」 こいつは本当に女癖が悪い。まあ、確かにイケメンで身長は高い。オマケに大企業の御曹司とくればモテないはずはない。 一緒に居ると人間みな平等という言葉はただの空想だといつも思う。 「じゃあな」 それだけ言って宏明は車を発進させた。 バイト先にポルシェで通う大学生なんて他にいないと思う。 バイトは趣味だと真面目に言い放つ宏明に、田舎から出てきてなんとか食いつないでいる僕は無性に腹が立った。
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