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なんだ、かっこいい人もいるのか。
じっとその人を見ていたが、すぐに目をそらされてしまった。
「愛想わるっ」
私は眼鏡のお兄さんにマッサージをされた。
「どの辺が一番しんどいですか?」
「全部ですね」
お兄さんは軽く「了解」と言いながら私の背中を触り始めた。
もうこのときのマッサージは未だに忘れられない。
声が出てしまいそうなくらい気持ちいいのだ。
正確に、且つ繊細に、吸い寄せられるように私の背中を触る。
そして、そこから離れない。
行程があったようだが
「背中ヤバいからここ集中的にやるわ」
と、誰かに言っているのが聞こえた。
そうしてくれ、むしろずっとそのまましてくれ…と内心思いながら私はうとうとしていた。
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