お父ちゃんとの出会い

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なんだ、かっこいい人もいるのか。 じっとその人を見ていたが、すぐに目をそらされてしまった。 「愛想わるっ」 私は眼鏡のお兄さんにマッサージをされた。 「どの辺が一番しんどいですか?」 「全部ですね」 お兄さんは軽く「了解」と言いながら私の背中を触り始めた。 もうこのときのマッサージは未だに忘れられない。 声が出てしまいそうなくらい気持ちいいのだ。 正確に、且つ繊細に、吸い寄せられるように私の背中を触る。 そして、そこから離れない。 行程があったようだが 「背中ヤバいからここ集中的にやるわ」 と、誰かに言っているのが聞こえた。 そうしてくれ、むしろずっとそのまましてくれ…と内心思いながら私はうとうとしていた。
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