2人が本棚に入れています
本棚に追加
そもそも俺はシャイなのだ。内向的な少年なのだ。恥ずかしがり屋さんな内弁慶なのだ。そんな俺が自分から友達を作れるはずが無い。挨拶の後にする話題がその日の天気しか無い男など、誰も相手にしないだろう。俺なら相手にしない。
悪友は知らん。
自分から友達も恋人もできないと言うのなら、周りの環境を変えればいいのだ。不毛な高校生活を一年過ごした俺は、その経験を生かし――いや殺し、二年生の時に部活に入る事を決意する。部活に入ればいやがおうでも人と接する事になるだろう。そうしたら友達はできるし、そこで築いた社交性によって彼女もできる。後輩から先輩と言われ、慕われるのも悪くない。
オーケストラ顔負けの声で青春を歌えると思うと、胸が踊った。
しかし俺が部活に入る事は無かった。
運動部に入ろうにも、途中から入る気まずさに抵抗を感じる。文化部に入ろうにも、途中から入る気まずさに抵抗を感じる。
別に俺自身のスペックは悪くないのだ。運動神経はそこそこあるし、器用とまではいかなくとも不器用でもない。
問題なのは、各部活の顧問を訪れると途端に天気の話をしてしまう俺の小心具合にあるのだ。
最初のコメントを投稿しよう!