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最初のような深くて激しくて苦しいものではない。
優しくて重なったそれから溶けてしまいそうなくらい暖かいキス。
すぐに唇は離れたが、頭で思考が止まったまま。
「な、・・・なに・・・」
「言葉で言ったらお前耳塞ぎそうだしな、行動で示した方が早いだろう」
バカ・・・・消えそうな声でいう。
「この俺様にバカとはなんだ!・・・いや、違うな。葵よく聞け」
「俺はお前が好きだ」
耳もふさぐ暇もなく聞こえたのは、一番欲しかった言葉。
そして
「掟で結婚するのは決まっているが、そのまえに正式な付き合いが必要だろう。確かに俺の初恋は葵の小さいころかもしれないが、俺はそれ以上に誰かを本気で好きになったことはない。
つまり、お前が一番すきだ。・・・これじゃ不満か?」
「・・・・それは掟が・・」
「あ?違ぇよ。・・・なんていえばいいんだ?・・・あー難しい話はおれにはよくわかんねぇ。いいか、おれは葵がすきだ。俺と付き合え!いいな!拒否権はない」
胸を張って自信満々にいう春斗におかしくなってしまった。
「拒否なんて、しませんよ。ふつつかものですがよろしくお願いします」
ペコっと頭を下げる。
「それでいい
」
そういって笑う春斗はとても・・・いや、これは胸の中にしまっておこう。
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