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放課後も生徒会室 ランキング戦も無事に追終わり、ほっと息をつけるときなのだが・・・ 「な、なにこれ、空気重い」 生徒会室に入ってきた律が 生徒会室の空気に顔を歪ませている。 「た、たしかに、あれ・・・?この時期は少し穏やかになるはずなんだけどな」 と続いて達也 「この空気・・・嫌・・・」 と夏喜。 この重い空気は目の前の2人のせいだ。 いつもは割と覇気のある春斗はなにかを真剣な顔で考えている様子。 葵は真顔で黙々と作業をこなす。 2人の間に会話は一切ない。 もともと葵は作業中に雑談をすることはないので、いつも通りといえばいつもどおりなのだが 春斗に関してはものすごく不機嫌だ。 いや、不機嫌とはまた違うかもしれない。しかし気分がすぐれていないのは明らかだ。 葵は律たちが入ってきたことに遅れて気付いた。 「すみません、作業中で気付きませんでした。」 「あーいや大丈夫だよ、・・・けどなんだこの重い空気・・・」 達也が小声で言う。 「えっと・・・会長と私の問題なので、少しの間だけ我慢してもらえますか?問題を解決しますので」 「?ああ、そうか。なんだか事情はよくわからないが、早めに頼む。会長の機嫌が悪いと俺らもいづらい」 また小声で話す。 しかし 「はるちゃんこわいよー!なんか怒ってるのー?」 律がやや大きめの声で春斗にいう。 「バッ・・・」 達也が口止めに入ろうとしたが時すでに遅し。 「うるせーな!別に怒ってねーよ!」 机をバンッとたたくと生徒会室を出て行ってしまった。 (怒ってるじゃん) 皆口に出さずとも同じことをおもったであろう。 「ふぇーかいちょー怒ったよーー」 「お前が余計なこというからだろ」 泣きつく律に達也があきれ気味にいう。 「余計じゃないもん、事実だもん」 「会長機嫌悪すぎ・・・ちょっと離れる」 夏喜は夏喜で遠い目をしながら、一人春斗に近づかないことを誓った。
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