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「私、会長に出会ってから、いえ、本城春斗に恋しました」
にこやかな笑顔のままそういう葵。
「おい・・・」
「返事はいりません。掟がある以上私の個人的な片思いなどあってないものなので」
「おい。」
「フラれてしまっては、辛くて逃げだしてしまいそうになってしまいます。お願いだから何も言わないでくださいね。私は、会長の問いに答えただけですので・・・」
今にもこぼれてしまいそうな涙をこらえて、春斗に背を向ける。
「おい、と何度も言っているだろう。何故自己完結をするな。おれの意見は無視か?」
「・・・・・・・・」
「おれはな、」
「聞きたくないです、すみません、失礼します・・・」
もう限界だった。
ただでさえいっぱいいっぱいなのに、答えを聞いてしまったら
本当に自分がダメになってしまいそうで・・・
葵は走りだそうとしたが、強い力に引っ張られる、
「話をきけ、バカが」
耳元で聞こえたのは、バカといいつつとてもやさしい春斗の声。
もうそれだけで葵はこらえきれなくなってしまった、
あまりにも声が優しすぎたから・・・・
「うぅ・・・・ダメなんです・・・」
「これでもか?」
そう春斗が言った瞬間、また強い力で引かれる。
顔が目の前に・・・・そう思ったときには
お互いの唇が重なっていた。
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