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少ししてから2人は生徒会室に戻る。
穏やかな雰囲気を感じ、安堵の息をもらす達也と夏喜。
しかし、そこは律。しっかりと2人の関係も変わっていたことに気付いていた。
だがあえて何も言わない、にこやかに仕事をこなすのみ、律なりの配慮なのだろう。
「よし、今日はここまでだ。もう帰っていいぞ」
この言葉に、律、達也、夏喜、の3人は席を立つ。
「じゃ、先に帰るな。お疲れ」
と達也。それに続き
「ん、帰る。・・・また明日」
と夏喜
そして2人が先にでていった後を追うように
「じゃ、またねー!おさっきー☆・・・はるちゃんとおあちゃんお幸せにね!」
といって律が出ていく。
まさかバレているとは思ってなかった葵は顔を真っ赤にする。
一方春斗の方はまんざらでもないようだ。
さすが俺様、といったところか。
「おい、葵。顔真っ赤だぞ」
少しからかい気味にいう。
「う、・・・わかってますよ。恥ずかしいのですから、言わないでください」
さらに顔を真っ赤にしてうつむく。
うつむいて一向に顔を上げようとしない葵に、春斗は後ろに回り
ぎゅっと抱きしめた。
「キス・・・してもいいか?」
「だ、ダメです。こんなところで。」
後ろか回されている腕を軽くつかみながら答える。
「こんなところじゃなければいいのか?」
「そういうことでは・・・」
振り返りかけた葵の唇を奪う。
触れるだけのキス。
最初は目を見開いて驚いていた様子だったが、すぐ春斗に身をゆだねる。
春斗は葵の身体を優しく抱きしめた。
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