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翌日
いつも通りの朝を迎え、2人で一緒に登校する。
珍しい光景に目を見開く生徒もいたが、それも一部。
たいがいの生徒はお似合いな2人に納得した様子だった。
堂々としている春斗に反して、葵は恥ずかしさで下を向いてしまう。
この恋人のような関係になれないのだ。
「おい、まだ恥ずかしがってるのか?」
「そ、そんなこと言われても慣れないのです」
「そうか。ま、少しずつ慣れていけばいい。もうお前は俺のものなんだからな」
「・・・・はい」
自信満々に言う春斗に、反射的に否定しようとしたが
これだけはどうしても素直に返事したかった。
「ちょっと素直になったな」
と春斗はにこやかに笑う。
すると、後ろから
「葵ー!おはよ」
「よっ!」
夕姫と蒼太が声をかけてきた。
しかし、葵の隣にはあの生徒会長様がいる。
笑顔だった2人の顔が若干ひきつる。
「夕姫、蒼太。おはようございます」
くるっと振り返って葵は返事する。
「せ、生徒会長さまも一緒だったんだな・・・・通りで・・・」
ぼそっと蒼太がいう。
「・・・?はい。どうかしましたか?」
急に大人しくなった2人を見て、葵は心配する。
「おい、お前らはなんだ?」
怒りをあらわにした様子の春斗。
ヒッと。声を上げて、今にも泣出しそうな夕姫
「私も大事な友人たちです。そんな怖い顔で睨まないでください。・・・嫌いになりますよ?」
夕姫の表情と厳しい顔をする春斗を見て、状況が理解できた。
おそらく、春斗は嫉妬しているのだろう、と
嫉妬してくれるのはうれしいことだけども、それが自分の大事な友人たちに向けられるのはいい気分はしない
「え?・・・あ、そうか。すまない」
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