-6-

9/12
前へ
/81ページ
次へ
「わかってくれればいいのです」 そう笑顔になって、2人を紹介した。 その笑顔に春斗が少し顔を青くしていたの気のせいだと思いたい。 春斗と別れ、いつも通りに授業を受ける。 生徒会。もしくは風紀に入っていれば 無条件特権として授業免除、欠席免除。となるが葵はそれを使おうとはしない。 他の生徒と同様に生活している。 しかし、ランキング戦で入った葵に、いつもと同じ生活が待っているわけもなく・・・・ 校舎へ1歩進めば途端に人だかりができ、授業中ですら教室まで見に来る輩までいる。 今まで、廊下を通って騒がれることはたびたびあったが、春斗との関係の噂のこともあり今日は特に酷い。 そんな状態で昼休みになる頃にはぐったりと疲れてしまった。 「これは一体なんなのでしょうか。ドッと疲れてしまいました」 珍しく机にうなだれる葵。 疲れているというのに、その表情がまた妙な色気を放っている。 「確かにねー。ってちょっと、葵。その表情はマズイって!」 夕姫が真っ赤になりながら、顔の前で手を振っている。 「こら、夕姫も一応ランキング上位者なんだからそんな顔するな。変な虫がつく」 「え?僕は至ってふつうだよ?それよりー」 ガラガラ 教室のドアが開く。 そこに立っていたのは 「葵、飯、行くぞ」 春斗だった。 人だかりができていた教室の周りがさらに騒がしくなる。 「会長ならぬ、旦那様の登場だね」 「夕姫、日本語おかしいぞ」 「あ、春斗さん・・・・」 疲れでぐったりしている葵がそうつぶやく。 ・・・・・・・さん付け!? 周りの心の声が一つになり、 春斗と葵が恋人同士になったという噂は真実となった。
/81ページ

最初のコメントを投稿しよう!

196人が本棚に入れています
本棚に追加