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「なんだ、ただのチャラ男か。」 変な奴という噂にかなりの期待をしていたようだった春斗は、つまらなそうにその場を去ろうとする。 「ちょっと酷いじゃないですか~会長・・・ん?」 その金髪の男と葵の目が合う。 そのとき グイッ 腕を強くひかれた。 「君、かわいいね。ね、俺といいことしない?」 今にもくっついてしまいそうな距離でいう男。 いつもしているのか、相当慣れている様子で。 「冗談はその性格だけにしておけ」 葵が狙われて、春斗が黙っているわけがない。 春斗は男から葵を引き離し、自分の胸に抱きしめる。 男同士とはいえ、体格差は圧倒的ですっぽりと収まってしまう。 「は、春斗さん」 顔を真っ赤にさせながらも後ろに手を回す。 「あーぁ。なんだ。生徒会長様のものなのね。・・・残念。」 わざとらしくしょんぼりする。 しかし、それも一瞬で 「あ、そうそう。俺、白羽奏人(白羽奏人)。こっちに引っ越してきたばっかりだからよろしくね、葵さん」 まるで春斗、その他の外野は目に入ってないかのように、ピンポイントで葵の名を呼ぶ。 「えっと、はい。桜城葵です、よろしくおねが・・・んんっ」 返事をしようとした葵の口を春斗が遮る。 もちろん自分の口で。 「ふぁ・・・な、なにするのですか!」 「こんな奴とよろしくなんてしなくていい。行くぞ」 有無を言わさず生徒会専用席に向かう春斗。 「ヒュー、お熱いね。そんなに仲いいと壊したくなるよ・・・ふふ」 すでにその場を離れてしまっていた2人には、聞こえていないだろう。 その頃、夕姫と蒼太は。 ぐいぐいと奥に進んでいく、春斗と葵をみて、自分たちには無理と考え 近くのテーブルに座りゆったりと食事とりつつ2人の様子をうかがっていた。 「なんか会長さん怒ってるね」 「なんかされたじゃないのか。ま。おれたちには関係ない。それより・・・」 「「葵が心配」」
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