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シリアさんはこの神殿でも、上位の巫女さんのようです。
マリ(シリアは謙虚なので「上から数えた方が早いです」、とは言っていましたが、実際はクロムさんの次、2番目です。)
シリアさん自身も神々と交信します。
私「神官様はシリアさんのことで、心配なことはありませんか?」
「彼女は、常に全体の事を考えて、行動します。細やかな気配りができることは素晴らしいですが、自分を押し殺しているところがありますね。幼い頃から神々との繋がりが強く、それ故に捨てられたようにここに預けられたのでそれが影響しているのでしょう。」
シリアさんは生まれつき、神々と感応する力があったようです。
五歳の時に神殿に連れてこられました。
マリ(両親に両手を引かれていました。天気は快晴で、とてもきれいな空でした。
預けられることは何となく察していましたが、素直に歩いてました。
両親がシリアを神殿の者に引き渡して、両親は一度も彼女の方に振り返ることはしませんでした。
シリアは両親のほうをじっと見つめながら、行かないで、待って、わたしも一緒に行きたい、と思っていました。でも、両親がそれを望んでいないと理解していたので、葛藤はあったけれど、抵抗せずに受け入れました。)
その時以来御両親とは会っていません。
寂しくないと言えば、嘘になります。しかしシリアさんは、
「確かに子供が神様と交信してたら怖いかなあって思いますしね…」
と静かな声でいいました。
マリ(シリアは小刻みに震えていました。泣きたいのを堪えている感じです。実際のところは自分に言い聞かせていた面がとても大きかったです。声が震えそうになるのを、なんとか抑えてました。かなしい、さみしいという気持ちが伝わってきました。彼女はそれを知っていて、けれどどうにもならないから仕方がない…と客観的に感じてもいました。)
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