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空は晴れている。
雲は一つもない。
そんな天候の下、郭嘉は自分の邸まで明らかに考え事をしているような遅い速さでゆったりゆったりと歩いていた。
「(曹操殿が…我を信頼しているのか…)」
曹操とは、郭嘉が仕えている君主だ。
字を孟徳という。
郭嘉はつい先程まで、曹操と会話をしていた。
というのも軍の方針を決めなくてはいけない時期であるため、郭嘉は出来るだけ良い方針を曹操に話をしながら持ち出さないといけないのだ。
「さて…」
郭嘉はそんな一言で考えていることを一度、止めた。
どこからとなく甘い匂いに誘われて、自然と足を進める。
足を進めたそこはー…
甘味所であった。
郭嘉は今まで通り過ぎていた店であったが、今は何か食べたくなった。
ずっと考え事をしていたからか…。
人の気配を感じた店主が出てきたので、郭嘉は茶と茶菓子を頼んだ。
店主は注文の用意をしに奥へと入る。
郭嘉はそんな店主を見てから椅子に座った。
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