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今年度はなんとなく気分の乗らないスタートだった。 俺は普通の男子高校生。池ノ内隼人。 特に好きではないが成績はいつもトップで、バスケ部のエース的存在。 そこらへんの女に黄色い声援を浴びるのは日常茶飯事だった。 別に嫌ではないが、その声援に応えるほど俺は優しい男ではない。 どちらかというと女は苦手だ。 単にめんどくさい生物。 顔で何でも判断しやがって性格やら中身の話は二の次だ。 俺の親友は、俺と正反対の生き物。 つまり、世間で言うちゃらい奴である。 そいつの名前は幸ヶ谷龍二。 名前だけかっこいいといつも言っている。 まあ、龍二もそこそこの男前。 俺からしてみれば、龍二のほうがかっこいい。 でも、ツンデレなんて言葉が流行語になるくらいの世の中だから、ちゃらい龍二よりクールに見れる俺を選ぶ奴のほうが多いと龍二が言っていた。
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