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俺はそれを聞いてるか聞いてないかの境目くらいの態度で流した。 窓の外を見ると春らしく桜が咲いていて、他の花々も綺麗に咲き誇っている。 ・・・また、一年が始まるか。 学生が一番楽しいと言うらしいが、俺は勉強なんて好きじゃないし、楽しいと思ったことがない。 でも、記憶力の良さは親父譲りらしく、授業を一回聞けば、なんとなく頭に入る。そのおかげで、テスト勉強もろくにしなくても成績がトップであった。 こんなことを言うとみんなにバッシングを食らうだろうが、なぜテスト前に一夜漬けみたいに焦って頭につめなくちゃいけないんだって思う。 授業聞いてりゃいいだろって毎度思ったりもするが、それを口に出すことはない。 俺の脳みそは勉強や恋愛なんかよりバスケのほうが面積をとっているだろう。 一年のときからレギュラーで試合に出ていた。鳳凰学園は県内でも強豪校であり、全国大会にも度々出場する名門。 バスケのためだけに、毎日朝早くから学園に来ているようなもん。 ・・・早く放課後になればのに そんなことを思いながら授業を淡々とこなしていく。
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