TAKE5:どうしても前に進めない時は、後ろではなく横を見ろ。

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古々は、目に涙を溜めながら訴えた。 「ぼ、僕、本当に知らないんです…!ま、まさか冬馬様が、あ、あんなことになってるなんて、し、知らなくて…!」 「しかし、昨日の夜、冬馬くんの近くにいたのは君だ。何かしら、変化があったんじゃないのかい…?」 古々は、美貌が眼前にまで迫り、頭がくらくらしていた。 普段は近づくこともままならない、現生徒会長の顔が近くに。 その事実だけで、失神してしまいそうだった。 どうする、あの携帯のこと、桜田聡里のこと、加賀見が来たこと… 全てを言ってしまおうか…… 「あの…僕、……」 バタン、と生徒会室の扉が開けられた。広小路は大きな溜め息を吐く。 「全く、この生徒会室は立ち入り禁止と決まっているはずだがね。一体誰だい?…………………おお!!君だったか~!」 古々は後ろを向くと、フードを被った男が立っていた。 「どうだい?正体を破られずに、学園内に溶け込めているかな?」 正体??一体どういうことだろうかと、古々はまじまじと見てしまう。 それに気づいた広小路は、優しく笑いかけた。 「紹介するよ、古々くん。この学園にとって欠かせない存在… 西崎佐久也くんだ。」
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