TAKE5:どうしても前に進めない時は、後ろではなく横を見ろ。

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その頃、加賀見は。 「あーーー、ちくしょうっ!俺の携帯どこに行ったんだよ~もーー!!」 気分でも晴らそうと、加賀見は部屋に取り付けてあったテレビを付ける。 本来、寮にテレビを取り付けることは禁止されていたが、加賀見の部屋は特別に取り付けられていた。 「チッ、イライラするぜ…あのクソ親父の歌のせいで、完全に萎えちまったじゃねぇか…まぁいい、機会なんか、また作りゃ…」 テレビのワイドショーが、色々な番組に移る。 ピッ 『えー、それでは次のニュースです……』 ピッ 『お笑い!グランプリ~!』 ピッ 『一匹残らず駆逐してやる!』 「はぁー、なに見るかな~っと。」 ピッ 『お願いいたします!心臓移植でしか、私の息子は助からないのです!妻は、もう死んだものとして、息子のことを諦めています!しかし、医者は、心臓移植をすることで、助かる確率は上がると、仰って下さいました!募金のご協力お願いいたします!』 「はっ、なんだこれ。お涙頂戴かよ~下らね~」 『私の息子を、春を、春を、助けてやってください!!募金を、募金をお願いいたします!!』 ピッ。 「はー、寝よ…。」
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