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その頃、加賀見は。
「あーーー、ちくしょうっ!俺の携帯どこに行ったんだよ~もーー!!」
気分でも晴らそうと、加賀見は部屋に取り付けてあったテレビを付ける。
本来、寮にテレビを取り付けることは禁止されていたが、加賀見の部屋は特別に取り付けられていた。
「チッ、イライラするぜ…あのクソ親父の歌のせいで、完全に萎えちまったじゃねぇか…まぁいい、機会なんか、また作りゃ…」
テレビのワイドショーが、色々な番組に移る。
ピッ
『えー、それでは次のニュースです……』
ピッ
『お笑い!グランプリ~!』
ピッ
『一匹残らず駆逐してやる!』
「はぁー、なに見るかな~っと。」
ピッ
『お願いいたします!心臓移植でしか、私の息子は助からないのです!妻は、もう死んだものとして、息子のことを諦めています!しかし、医者は、心臓移植をすることで、助かる確率は上がると、仰って下さいました!募金のご協力お願いいたします!』
「はっ、なんだこれ。お涙頂戴かよ~下らね~」
『私の息子を、春を、春を、助けてやってください!!募金を、募金をお願いいたします!!』
ピッ。
「はー、寝よ…。」
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