第一夜 ペンも剣を持ち合わせて

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「やあ植村進治君。早速だが君には五つのカードを選ばしてやろう」 俺の名前は……この黒髪野郎の言う通り、植村信治だ。 高校三年、ウルフヘアーで不良の代表格である俺は何時ものように喧嘩をしていた時だった 倒したと思っていた喧嘩相手にナイフでブッスリと殺られて、気が付いたら目の前の黒髪でラフな法衣を着た奴がいたわけだ。 「よし、色々と聞きたいが……まずそのカードに付いて聞こうか? 中身には何て書いてある?」 俺がそう言うと、黒髪は驚いたような顔をして、ニヤリと笑った。 「ほう…なぜその質問を選んだ? 他にも聞きたいことは在るだろうに」 「まあな。俺の聞きたい事は、それを除外して五つ。 一つ、此処は何処か。 二つ、俺はどうなったか。 三つ、お前は誰か。 四つ、それはコスプレか? 五つ、何故俺はこんな魂みたいな格好をしているのか。 だ」 それらを押しのけて、カードの内容の質問をした理由は二つ。 それの内容によって何かが変わる。 他の質問は知っても意味がないだろうから。 以上だ。 「ふーん…君は随分と知的な不良なんだね?」 「…武力だけでは何も手に入らん。知識と権力、そして金。それらが揃えば最強だって捻じ伏せれる」 まあ、力も加われば文句はないがな。 「よーし! 決定だ!! 三つ目のカードは抜いておこう!!」 そう言って黒髪はカードを抜き捨てた。 二分の一の確立で表になり、内容をさらしたカードを読んでみると。 『    ハ・ズ・レ   君は冥界行きだ!            』 と書かれていた。
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