第一夜 ペンも剣を持ち合わせて

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さて、状況把握は出来た。 まず、俺は死んだ。 自分を客観的に見ているような目線は夢を見ている様な感触だった…それにより俺が死んでいることは分かったさ。 次に抜き捨てたカード。 冥界行き…と書かれたて居る事から俺の志望は確定したようである。 そして、よくある携帯小説的な、ミスして転生的な展開ではなさそうだ。 それはハズレのカードが混入していた時点で分かりきっている。 俺には選択肢が無いってね。 そして目の前の黒髪は神様のようだな、それは簡単だ。 「…俺の望むままの力?」 「ああ。だが…まあ、普通のやり方では詰まらんな…これを握りたまえ」 「…これは?」 「今適当に作った紙だ。君のもっとも憧れる人物を…っともう出たようだな」 俺から紙を奪う。 「何々…? 『逆○十六夜』だと…? 面白い」 何故逆○十六夜に憧れているかと言うと、彼の頭脳明晰さに傍若無人な『恩恵』に憧れているのだ。 『恩恵』を砕き、魔王が繰り出す数々の難問を解き明かす事の出来る頭脳……何より性格がいい。 それら全てに、俺は憧れているのだ。 「よーし! 決定した!! 記念すべき第一回の暇潰しに与える力は――― 俺が解釈する逆○十六夜のスッペク+αだ!!」 「…+α?」 「…特典みたいなものだ。基本スペックは十六夜と変わりは無い、色々と在るだろう? 先立つものとかさ」 「…路銀的な?」 「路銀的な」 結構現実的だな、神様。
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