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あれからお風呂に入って、彼が用意してくれた可愛いパジャマを着て出てくると、ダイニングのソファでまた真剣に本を読んでいる彼がいた。
先ほどまでは掛けていなかった黒淵の眼鏡に、左手には鉛筆。
さっきから何をあんなに真剣に?
私が疑問に思い、その場に立ち尽くしていると私に気がついたのかこちらに振り向き、小さく笑った。
「七海ちゃん、こっちにおいで…」
彼はもっていた鉛筆と本を置く。
「えっ、なんですか?」
手招きされ、首を傾げながら彼の近くまできた。
「いーから、ここに座ってくれる?」
彼は私の腕を掴む、半ば強引に引っ張られた。
「ひ、柊さんっ」
驚いたことに彼は私を自分の膝の上に座らせた。
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