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「ありがとう……それから七海ちゃん。」
彼の腕から私は解放され、彼の方へ身体ごと向けられた。
何だか耳の辺りがこそばゆい
「なん、ですか?」
やっぱり名前を囁かれると心臓が跳ねる。
甘い笑みを浮かべる彼に一層、私の心臓の音が相手に聞こえちゃうんじゃないかって不安になるくらいに響いた。
ドクン、ドクンって。
「柊さん、じゃなくてソウイチって呼んでね?」
「え?」
「ソウイチって」
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