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しばらくして 慎が乗ってくる駅に着いた。 ‘慎ちゃんいるかなぁ?’ ドアが空いて 慎が乗ってきた。 「慎ちゃん!ここ。」 「おぉ。」 「クラスどうやった?」 「俺てきには良くも悪くもないクラスやったなぁ。お前はどうやったん?」 …少し言いづらかった。 心配かけん為にも 言わない方がいいのか… 正直言った方がいいのか…私は言った。 「仲いい子とは全員離れちゃった…。でも自然にクラスに馴染むよ!まだ今日行ったばかりだから分かんないからさ(笑)」 「…そっか。お前が大丈夫やったらいいんやけど。」 慎が心配そうな顔で 私を見てきた。 慎が心配するのは 分かる。 当時の私は 家で上手くいかず 家出を繰り返していた。 反抗期だったからもしれない。 でも 私の家は複雑。 私が小学校に上がる前に 両親が離婚。 離婚の原因は実父の母への暴力。 私は物心がついた頃から 実父が母へ振るう暴力を見てきた。 実父は酒癖が悪く 酒を飲んだ後や母が気に入らない行動をとると暴力を振るっていた。 でもそれ以外は 優しいお父さんだった。 休みの日はいつも 遊園地とか色んなところに連れて行ってくれた。
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