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スミュルナが木に変えられてから月日が経ち[アドニス]という子供が生まれた。
でも木になったスミュルナはアドニスを育てられなかった。
「美の女神様、あなた様への祈りを怠ってしまったこと…本当に申し訳なく思っております…ですがどうか、私の願いを聞いて頂けないでしょうか?」
「それはどんな願い…?」
スミュルナが反省していると知ったアフロディテは願いを聞く事に決めた。
「私はこの通り自分の子を抱く事も出来なければ育てる事も出来ません…私の替わりにこの子を育てて頂きたいのです」
アフロディテは考えた挙げ句その願いを叶える事を約束したがアフロディテはあまり子育てが好きではなかった。
そこでアフロディテは密かに冥府の王の妻[ペルセポネー]に子育てを頼んだ。
「私はあまり子育てが得意ではないの…私の替わりにアドニスを育ててくれないかしら?」
「…わかったわ」
なぜ何の関係もない自分が子守などしなければならないのだと不満を持ちつつペルセポネーは承諾した。
月日が流れるにつれアドニスは美少年になっていった。
こうなるとアフロディテもペルセポネーもアドニスを愛するようになった。
そしてアドニスをめぐる争いが始まってしまったのだ。
そこで主神[ゼウス]が仲裁にはいった。
「もうやめろ…醜いぞ」
「ならばどうしろと言うのですか!!」
アフロディテがゼウスを睨み付けながら言った。
ゼウスは考えながら2人へと提案をした。
「春から夏までをアフロディテに秋から冬までをペルセポネーと暮らすというのはどうだ?」
「我は主神ゼウス…逆らう事は許さぬ」
渋々アフロディテとペルセポネーは承諾した。
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